世界平和の実現のために、社会で子育てする文化を創る

この題名を見て、一体何者がこの記事を書いているのか? 疑問に思われた方のため簡単に自己紹介する。私は1996年26歳の頃にアメリカに移住した。ソフトウェアエンジニアとしてシリコンバレーの大手企業で働いていた。10年前から教育に関心を持つようになり、6年前に会社を退職した。2016年から2年間「Teach For Japan」というNPOを通じて福岡県の小学校で教師を経験した。現在は独立してリーダー育成に関わる事業をしている。

今日は私自身の事業の話しではなく、知人に紹介してもらって出会った石井大輔さんと彼が始めた「ホイクタス」という事業について紹介することがこの記事の目的だ。

ところで、あなたは日本の教育の課題はなんだと思いますか? 世界の教育の課題は何だと思いますか? その課題を解決するために、何をどう変えたら良いと思いますか?

この問いに答えるためには、そもそも、日本がどうあるべきか? 世界がどうあるべきか? そこに対する自分なりの答えがなければ、何が課題かは見えてこないはずだと私は思う。

私が今「世界がどうあるべきか?」を言葉にするならば、例えばこうだ。

「誰もが生まれ持った才能を存分に発揮し、この世界での一度きりの人生を幸せに楽みつくす。地球に優しく、宇宙に優しく、森羅万象全てに優しく、愛に溢れる持続可能な世界」

本気でそんな思いを持ったから、私はシリコンバレーでのエンジニアの仕事を辞めて、教育の現場に飛び込んだのだ。

あなたならどのような言葉にするだろうか?

では、そんな世界を創るために何が課題か? 私は根本的な課題は「家族」と「他人」とか、「自国」と「他国」などミクロにもマクロにも、相手によって区別をしていること、つまり相手によって態度を変えていることが本質的な課題だと思っている。

家族は大切にするのに他人は大切にしない。同じ民族は大切にするのに、他民族は大切にしない。同じ宗教の人は受け容れるのに、他宗教は否定する。だから争いが起こるのだ。その最悪の形が戦争だ。

我が子を愛するのは本能的に自然なことであろう。野生の動物が子どもを守る様子を見れば明らかだ。しかし、人類=ホモサピエンスは違う。世界を理想の状態にするために、本当に我が子だけを愛すれば良いのだろうか。そもそも「理想の状態」を考えることができるのがホモサピエンスだけに与えられた創造力なのだ。

「自分の子ども」の教育と「他人の子ども」の教育を考えた時、どちらが本当に大切だろうか。

私は家族を大切にすることを放棄するべきだと言いたいのではない。
ただ、世界を俯瞰した時に、「我が子」に対する教育だけに全力を捧げることが、本当に世界全体を良くするのか? 想像して欲しいのだ。

いや、自分は税金を払っているのだから他人の子どもにも貢献していると言う人がいるかもしれない。しかし税金を集め、富の再分配をしているはずの政治が、期待通りに機能していないのは歴史から明らかだ。親の収入が子どもの学力や生涯賃金に相関関係があることは明確になっており、「貧困の連鎖」などの言葉で調べてみれば過去の事実が確認できる。

つまり前述のような世界を実現するためには、「自分の子ども」さえ良ければ良いという、本能だけに基づく考え方を一人一人が持っているのではダメなのだと私は考えている。

人類の根本的な考え方にパラダイム・シフトが必要だ。
つまり、家族を大切にするのと同じように、関わる全ての人を大切にするという考え方だ。

この考え方を教育にあてはめ、私なりに端的に表現すれば以下のようになる。

「子どもは社会全体で育てなければならない」

我々がするべきことは、税金を払って政治任せにすることではない。自分ごととして、本気で他人の子どもの人生も、我が子のように大切にすることだ。

「自分の遺伝子」という本能だけに基づく思考から脱却し、世界全体、宇宙全体の調和を考えた思考に自らの精神を昇華させるべき段階に世界は来ている。

以上のようなことを考えている私に、古くからの知人の牧田さんが石井大輔さんを紹介してくれた。

彼は一般社団法人「ホイクタス」の代表理事で、同名のサービスを展開されている。
「ホイクタス」のミッションは

「社会で子育てする文化を作り、保育に関わるすべての人の未来を幸せにしていく」

となっている。私が考えているミッションと同じだ。そして、石井さんがホーム・ページであげられている以下の問い……

「社会で子育てする文化をどうしたら作れるのか?」

これにも共感しかない。
そんなわけで石井さんとは初めての顔合わせからすぐに意気投合し、私も「ホイクタス」の応援者の一人として名を連ねさせていただくことになった。

現在ホイクタスはすでにネット上のサービスを展開している。
幼児教育に関わる保育士さんが日々の保育で持つ様々な悩みを共有し、それに対するアドバイスを他の保育士さんや有識者がするプラットフォームだ。沢山の人が集まることで、個々の知見が、ただの経験則に基づくアドバイスになるのではなく、本当に効果的だったかを科学的に立証していくプラットフォームになることを目指している。

また、このプラットフォームでの活動を通じて保育士さんのキャリア形成に貢献し、社会的地位の向上を目指していることにも大変共感している。教育の最前線で奮闘する保育士さんや学校の先生などはもっと社会的地位が向上し、金銭的にも報われなければならない。
というわけで、一人でも多くの保育士さんにこの「ホイクタス」を知ってほしいです。あるいは保育士さんや保育に関わる人にシェアしていただけたらと思います。

ホイクタスのホーム・ページはこちらです。
https://hoikutasu.com/
社会全体で子育てをする文化を創り上げていくために、良かったらシェアご協力ください。そしてホイクタスの活動にご注目いただけたら嬉しいです。


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