コーチング入門(2) 対人関係でもっとも大切な心構え

国際コーチング連盟ではコーチの能力を担保するためにプロコーチのコアコンピテンシーというのを定めています。詳しくはこちらをご覧ください。このコアコンピテンシーがコーチとしての基本。守・破・離で言えば「守」にあたると言えます。今後このコーチング入門を自分なりに書いていきますが、コーチとしての根底にはこのコアコンピテンシーがあることは私自身忘れないようにしますし、コーチングに関心がある方も是非これは忘れないでください。一方で、これは唯一無二のものではありません。例えば世界各国に独自の憲法があるように、コーチングにも別の基準があっても良いかもしれないのです。だから私はこのコアコンピテンシーが絶対的なものであるというつもりはありません。そもそもこのコアコンピテンシーも普遍なものではなく、実際2019年10月に改定されており、今後も改善されていくことでしょう。国際コーチング連盟のコアコンピテンシーは長年コーチングで成果を出してきた世界中のプロコーチがその経験と知恵を結集して作ったものですから参考にしない手はないということだと私は捉えています。

コアコンピテンシーを読んでも抽象的すぎて具体的な場面でどうして良いかイメージが湧きにくいと思います。このブログでは、私自身が学びや実践を通じて培った具体的なイメージをお伝えすることで、コアコンピテンシーをより具体的に理解する一助になればと考えています。

さて今日のテーマは「対人関係で最も大切な心構え」です。

コアコンピテンシーで言うと、

B「関係性を共に築く」
03.「クライアントと共に信頼と安心感を作り上げる」
✔相互に尊敬と信頼が継続する、安全で支援的な環境を生み出す能力

及び
C「効果的なコミュニケーション」
05.「積極的傾聴」
✔クライアントが願望として語っている意味を理解し、その自己表現をサポートするために、クライアントが語っていること及び語っていないことに、完全に集中できる能力


に当たると思います。

ところで、コーチ・エィ・アカデミアでコーチングを学ぶと、一番初めの頃に冒頭で紹介した「タイプ分け」について学びます。タイプ分けについての詳しい説明はこちらをご覧ください。

なぜ「タイプ分け」を初めに学ぶのか。私なりの理解は、一言で言えば、

人は全員違う

ということを深く腹落ちさせるためのきっかけです。

人の話を聞く時、意識的にトレーニングをした人でない限り、聞いている内容を自分の価値観に照らし合わせて評価したり判断しがちです。相手がまだ話している間に自分が次に言いたいことや質問したいことを考えています。そうなった時点で相手の話は上の空で、心の中では「いつになったら相手の話しが終わるのか」と待っているのです。

コーチングで人と関わる時には、この(コーチとしては悪しき)習慣は完全に捨て去る必要があります。コアコンピテンシーの記述では「クライアントが語っていること及び語っていないことに、完全に集中できる能力」と書いています。それができていない典型的な状態では、相手の話を聞きながら評価を下したり、次に言うことや質問を考えてしまう、つまり自分の思考の矛先がクライアントではなく自分に向いているのです。皆さんも自分が話している時に相手がもう自分の話を聞いてないと感じたこと、きっとあるのではないでしょうか。

ではどうしたら、話を聞きながら評価を下したり判断しないで、相手が語っていることや語っていないことに集中できるのか。私の場合、「人は全員違う」という大前提において「全ての人は無限の可能性を持っている」という絶対的な信頼のもと、例えば、

「違いを楽しむ」
「この奇跡のご縁に感謝する」

という心構えで相手の話を聞き、感じるようにしています。

実際にそのようにして沢山の人と関わってきた経験を通じて素晴らしい関係性を作ってきました。そして今では、誰かの話しを聞くときは例えば以下のような気持ちが自然と沸き起こっている自分を認識しています。

「目の前の人に対する純粋な好奇心」
「相手を深く知りたい」

相手の世界観を感じたい

少しスピリチュアルになるかもしれまぜんが、そもそもこの世界は一つで、森羅万象全てのものは一つ。その中に、たまたま「自分」だと認識している「体」とか「心」がここに在るだけであって、その根底は全部一緒だと思うのです。同じ大いなる何かにつながっている魂が、今目の前に別の自我を通じて出現している。そんな奇跡の瞬間を味わっているのです。実際世界に80億人近く生きている人がいる中で80億分の1の奇跡で目の前にいるわけですから。

私は以上のような気持ちで目の前の人と関わるようにしています。

なお、相手にとって心地よい関係性を作り、コーチとしてより貢献するために、相手のタイプを見極めるのはとても大事です。タイプによって明らかに関わり方を変えたほうが良いポイントがあります。そんなことが冒頭の本で紹介されています。大事なポイントはコーチ・エィのこちらのページでも説明されていますので良かったら読んでみてください。

また、相手にフィードバックをもらうのもとても有効です。つまり今後どうコーチとして関わって欲しいのか、改善して欲しい点を相手に素直に言ってもらうのです。私はコーチングの事後アンケートで以下の質問をしています。

✔今日のセッションで良かったことを、可能な限りお書きください。
✔今日のセッション後から、早速やってみようと思ったこと・やめようと思ったことをお書きください。
✔今日のセッションの満足度を100点満点で採点したら何点ですか?
✔あなたが小野のコーチングのスーパーバイザーだとして、絶対に最低1つは改善点を言わなければならないとしたらなんですか? フィードバックは私はプレゼントとして受け止めて今後の参考にさせていただきます! 


この最後の質問のおかげでこれまで数多くのフィードバックをいただきました。自分では気が付かないポイントを指摘してもらえたので、成長できたと思います。どんな分野でもそうだと思うのですが、何かで成長しようと思ったらフィードバックを自ら受け取りに行くことがとても大切です。今の自分を否定されるという恐れを捨てて、自分が見えてない世界を見せてもらうという視点でフィードバックを受け取るのです。そして、その際に特に自分とタイプが違う人、価値観が違う人こそ自分が持っていない視点を与えてくれる非常に貴重な存在です。

今日のまとめ

対人関係で最も大切な心構えというテーマについて書きました。コーチのコアコンピテンシーでは、以下の2つの能力にあたります。
相互に尊敬と信頼が継続する、安全で支援的な環境を生み出す能力
クライアントが願望として語っている意味を理解し、その自己表現をサポートするために、クライアントが語っていること及び語っていないことに、完全に集中できる能力
これら2つの能力をつけるためには、「人はみんな違う」という大前提のもと、コーチとしてクライアントと関わる際に思考の矛先を自分の価値観や次に自分が言うことではなく、「目の前の人に対する純粋な好奇心」を大切にするということです。「人はみんな違う」ということを腹落ちさせるための入り口として「タイプ分け」という考え方があり、その内容を参考にすることで多様な人とより良い関係性を構築することができるようになります。またコーチとして成長するためにクライアントにフィードバックをもらうことがとても重要。そんなことを今日は書きました。


コーチング入門・まとめ
コーチング入門(1) コーチングとは
コーチング入門(2) 対人関係でもっとも大切な心構え
コーチング入門(3) 相手の話を聞く①
コーチング入門(4) 相手の話を聞く②
コーチング入門(5) 自己認識を深める①

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