自分を深く理解し、自分とも他者とも深い信頼関係を作るコミュニケーションの参考書

今日のポイント
相手の本音に気づくには、まず
自分の本音に気づくことが第一歩

この本は「本音に気づく会話術」という題なので、他者の本音に気づくにはどうしたら良いのか。そういうことが書いてある本かと思うかもしれません。実際にそうではあるのですが、そのためにはまず第一のステップとして、自分の本音に気がつくことが大切であると述べています。

私も著者の考えに全面的に賛同します。

日頃から自分の様々な思考や沸き起こる感情に意識を向け、自分を客観視することが大切です。

そのために、自分の身に起こった「事実」と、その結果沸き起こった「感情」に意識を向けるように説いています。そしてその「感情」が沸き起こった背景に潜む自分の「本音」にまず気づくこと。これが大切です。まず自分自身の感情がどのようなメカニズムで沸き起こっているのかを日々の感情の浮き沈みを通して理解するのです。

特に「不快な感情」が沸き起こった時がチャンスです。何か心がザワザワするような、不快な気持ちになったとき、何か周りに対して反応してしまう前に、「あ、不快な感情になっているな」と心の中で俯瞰することが大切です。「今、私は嫌な気持ちになってるね?」そんな風に自分に声をかけてあげるのです。
「どうしたの?どんな気持ちなの?」と自分に聞いてあげる。この本では、感情に名前をつけましょうとも言っています。

不快な感情が沸き起こる背景には、必ずその人が大切にしているニーズや価値感があり、それらが満たされないことで不快な感情が沸き起こっています。だから「今、私のどんなニーズや価値感が満たされていないのだろう?」と考えてみるのです。例えば、

ニーズであれば、
「自分のことを大切にして欲しい」「重要視して欲しい」「存在を認めて欲しい」
価値感であれば、
「友だちは大切にするべきである」「誰に対しても優しくするべきである」

などです。このように自分に沸き起こっているネガティブな感情と、その背景にある満たされていないニーズや価値感が何かを考えてみる。こうすることで、自分の本音に気づく練習を日々するのです。

別のエントリーでも同様のことを書いていますが、このように考えることができれば、不快な感情を持つような状況に遭遇することは、自分が満たしたいニーズに気がつくことができるチャンスと捉えることができます。
「そうか、私は大切にして欲しいんだね。でも今そのニーズが満たされていないから、嫌な気持ちになっているんだね。」
のように捉えるのです。たまたま目の前の人はいろいろな事情があって、自分のニーズを、自分が期待するほど大切にしてくれる人ではないというだけのこと。だから、自分を傷つける選択をする必要はないのです。
だとするならば、「この置かれた状況で自分に何ができるのか?」「この経験から何を学べるのか?」「この状況の良いところは何か?」などのセルフトークを持ち、自分ができる範囲で何ができるのかを考える。そうすることで、この状況を自分の学び、成長に結びつけていけば良いのです。

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